育児休業後に正社員から契約社員になり、その後雇止めされたのは違法だとして、語学学校の講師だった女性が会社側に慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決があった。阿部潤裁判長は、女性が自らの意思で契約社員を選び、また会社側に違法性はないとして、雇止めを有効と判断した。一審の東京地裁では、会社側にマタハラがあり、雇止めも違法として会社側に110万円の支払いを命じていたが、女性側の逆転敗訴となった。
働く高齢者が増え、仕事中にけがをする割合が増加しているのを受けて、厚労省は高齢者の労災予防を企業に促すガイドラインをつくる。通路の段差解消、滑りにくい靴の支給、体力チェック後の運動指導や高齢者によるリスクの報告、相談窓口の設置等、骨子案が公表された。ガイドラインは来春までに作られる予定で、罰則などの拘束力はない。
政府・与党は26日、厚生年金の短時間労働者への適用について、適用対象企業を従来の従業員数501人以上から、(1)2020年10月に「101人以上」、(2)2024年10月に「51人以上」と2段階で広げる方向で調整に入った。新たに65万人が厚生年金保険の対象になる見通し。2020年の通常国会への法案提出を目指す。
厚生労働省は、後期高齢者が納める医療保険料の上限を来年度から62万円から64万円に引き上げる案を社会保障審議会の部会で提案し、了承された。高所得の後期高齢者の保険料の負担が重くなる一方で、主に中間所得層の負担が抑えられることになる。
厚生労働省は、職場でのパワハラを防止するために企業に求める指針案を固めたことを明らかにした。10月に示した素案を修正し、同省が定めたパワハラ6類型に沿ってパワハラに当たるかどうかの具体的な判断事例を示した。指針は年内に策定され、大企業は来年6月から、中小企業は2022年4月から対応が義務付けられる。
2017年にトヨタ自動車の男性社員が自殺した原因は上司のパワハラが原因だとして、豊田労働基準監督署が労災認定した。
男性は上司からのパワハラで適応障害を発症し休職、復職後社内の別のグループに異動したが、席がこの上司の近くだった。
会社側は当初、パワハラと休職との因果関係を認めたが自殺との因果関係を否定し、遺族側は今年3月に労災を申請した